屏東の夏休み

平溪線に乗って

1998年7月31日(星期五)


7月31日、金曜日。台北。晴れ。

今日は平溪線注1めぐりの日。

[石炭集積場跡]

列車で“戀戀風塵”のロケ地、侯硐注2注3
侯硐はあいかわらず緑深く、静かだ。
廃墟を覆う自然、夢のあとの静けさ。

変化がないわけではない。
炭坑跡を示す立て札、トロッコの線路に代わる舗装道路、奇妙な竹のデザインのガードレール…。
炭坑で栄えた歴史の保存、それをネタにした観光地化、そしてそれに伴う開発。
これらの矛盾が侯硐を醜くしている。

[トロッコの線路]

野外映画が上映される広場映画も、 事故にあったお父さんのところにお母さんが駆けつけるトンネル映画も、
トロッコの線路が撤去されていた。
帰省した阿遠と阿雲が渡る吊り橋映画は、補修されないまま、4年前よりも朽ち果てている。

せっかく週末を避けたのに、夏休みなので平溪線は満員。
初めて終点の菁桐注4まで行く注5
ここの駅舎は日據時代のまま残るもの。
小さな待合室のたたずまいがいい。

[菁桐車站]

乗ってきた列車で平溪注6まで引き返す注7
“南國再見、南國”で賭博が行われる家映画を見る。
基隆河の向こうで昼食。

さらに十分注8まで引き返す注9
あいかわらず多い観光客。
なぜか蝦釣り場までできている。
線路ではイサムちゃんが遊んでいる。

[十分の線路]

“戀戀風塵”で退院したお父さんが渡る吊り橋映画が真っ赤に改装され、ひどくがっかりする。

裏通りに、十分旅社という小さな旅社を見つけた。
いつか泊まってみたいと思う。

[十分旅社]

列車を乗り継いで台北に戻る注10

鼎泰豐で夕食。
皮の薄い小龍包はやはり美味しく、行かないわけにはいかないけれど、
日本人の多さにはいつもながらうんざりする。

[小龍包]

ここの前は“麻將”で綸綸とMarteが再会するところ映画
綸綸がMarteのために蛋餅を買う屋台映画もすぐ近くにあった。



[1] 平溪線
東部幹線宜蘭線の三貂嶺と菁桐を結ぶローカル線。
列車の発着は、台北寄りの侯硐または瑞芳。
[2] 侯硐[Hou4 Dong4]
台北縣瑞芳鎭。
[3] 台北→侯硐
東部幹線宜蘭線、莒光51次。7:58-8:52。NT$70。
[4] 菁桐[Jing1 Tong2]
台北縣平溪郷。
[5] 侯硐→菁桐
平溪線、柴3213次。11:13-11:49。NT$17。
[6] 平溪[Ping2 Xi1]
台北縣平溪郷。
[7] 菁桐→平溪
平溪線、柴3216次。12:05-12:10。NT$11。
[8] 十分[Shi2 Fen4]
台北縣平溪郷。
[9] 平溪→十分
平溪線、柴3218次。13:58-14:11。NT$11。
[10] 十分→台北
十分→瑞芳:平溪線、柴3220次。15:26-15:55。NT$15。
瑞芳→台北:東部幹線宜蘭線、莒光60次。16:40-17:21。NT$62。

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作成日:1999年9月19日(日)
更新日:2004年5月29日(土)