ドゥ・マゴで逢いましょう 2000

2000年11月4日(土)


11月4日、土曜日。

アリ・ザウア ◇ Ali Zaoua ◇ Ali Zaoua

今日の1本目、映画祭8本目は『アリ・ザウア』。これ以降、すべてシネマプリズム部門で、会場はシアターコクーンである。

■映画について

カサブランカのストリート・チルドレンを描いた映画。リーダー格のアリ・ザウアが喧嘩で殺され、仲間の子供たち3人が立派な弔いをしてあげるまでの話。

タイトルにあるアリ・ザウアが登場し、「こいつが主人公か」と思った途端に死んでしまうところや、「立派に埋葬する」という面子にこだわる大人のようなことに奔走するストリート・チルドレンというのは意表をついていて面白い。しかし、オーバー・アクション気味の子供たちや、全体的に嘘っぽい感じに、いまひとつ乗れなかった。

3人兄弟 ◇ Tri Brata ◇ Three Brothers

今日の2本目、映画祭9本目は『3人兄弟』。並びながらドゥ・マゴのパンで昼食。

■映画について

故郷近くの基地に転勤することになった空軍パイロットが回想する子供時代の思い出。軍事練習場の近くに住む子供たちの日常が断片的に描かれるが、他愛のない出来事の積み重ねの後に、突然悲劇が起きる。

土と枯れたような色の草で構成される風景、それに合わせた土色っぽい、抑えた色調の映像、淡々とした語り口、素人の子供たちの自然な演技と、何から何まで私好みの映画。まったく知らない場所で、しかも数十年前が舞台なのに、空気の肌触りが感じられる映画である。

かなり前からすでに静かなブームではあるが、次にくるのは中央アジア映画しかないと思う。インドや韓国のような商業的なブームにはならないだろうが、例えばこの映画の公開を機に、多くの映画が公開されることを期待したい。

Serik Aprymov

■ティーチイン

質疑応答要旨

ゲストはSerik Aprymov監督と、プロデューサーの佐野伸寿。Serik Aprymovを見て思ったが、アジア系の顔立ちにロシア語というのはかっこいい。

◇◇◇

夕食はまたチャンパー。鶏肉バジル炒めや空心菜炒めが定番なのだが、今日は違うものを開拓してみた。

エスペランド・アル・メシアス ◇ Esperando Al Mesias ◇ Waiting for The Messiah

今日の3本目、映画祭10本目は『エスペランド・アル・メシアス』。今年のシネマプリズムにはラテン・アメリカ映画小特集という企画があり、これはその中の1本である。

■映画について

ユダヤ人である青年と突然失業した中年男を中心に、都会に暮らす孤独な人々を描いたもの。独特の忘れがたい雰囲気があるが、何か明確な感想を描きにくい映画である。ブエノス・アイレスの空気を求めて観に来たが、あまり感じられなくて残念だった。

■ティーチイン

Daniel Burman

質疑応答要旨

ゲストはDaniel Burman監督。監督の回答が突飛なのか、通訳の語学力に問題があるのかよくわからないが、時々質問と回答とのつながりがよくわからず、通訳の人も「自分が訳している日本語の意味がわからない」と言っていた。まずスペイン語を日本語に通訳してそれから英語に通訳するのだが、その途中で英語通訳がスペイン語通訳に日本語で質問すると、日本語はわからないはずの監督が勝手に補足説明を始めて、どんどん話がそれてしまうことも何度かあった。

私のパソコンは、途中で突然パタッと死んでしまった。そのため、後半は記憶に基づいて書いている。よく理解できなかった点を私の解釈で書いているところもあり、間違い、抜け等があったらお許し下さい。

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作成日:2000年12月4日(月)
更新日:2004年12月11日(土)