1996年6月12日(星期三)

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Kuala Lumpurについて

Kuala Lumpur(クアラルンプル)はMalaysiaの首都で、通称KL(ケイ・エル)と呼ばれており、華語では吉隆坡(Ji2 Long2 Po1)と書く。19世紀にスズ鉱脈が発見されてから、華人を中心に開発されて発展した街である。

KLはさすがに首都だけあって大都会である。歩道には屋台と人がひしめいていて、鞄と足をひきずりながら歩くのはなかなかたいへんだ。KLでの宿、Kuala Lumpur YMCA Hostelに向かう。YMCAはKL中央駅の南の方のJl. Padang Beliaにある。KL中央駅を過ぎると、市街地をはずれて緑が目立つようになり、10分くらいで着く。

Kuala Lumpur YMCA Hostel

[YMCA]
◇KL YMCA Hostel◇

ここは、1か月くらい前にファクスで予約しておいたところで、ツインRM78/泊、一人約¥1700/泊である。4階建ての低い建物で前に駐車場があり、雰囲気的にはアメリカのモーテルのようだ。部屋は狭いが、SingaporeのYMCAよりは少し広いかもしれない。浴室は狭く、シャワーのみで、しかもトイレ部分とシャワー部分が分かれていない。テレビはあるが冷蔵庫はなく、クローゼットの中をヤモリがはっている。こんなふうに書くと悪いみたいだけど、なんとなく生活感があって落ち着くところだ。

KL中央駅に行き、明後日のButterworth行きの二等の切符を買う(RM30/人=約¥1400)。あまり待たずに買え、コンピュータの故障もなくひと安心。

吉隆坡のChinatown

[Jalan Sultan]
◇Jl.Sultan◇

Chinatownへ行く。吉隆坡は人口の3分の2が華人で、その人口構成(1970)は、広東人31%、客家人 29%、福建人26%と広東人が最も多く、広東語の通用度はかなり高いということだ[ML6]

惠州會館(客家系)、瓊州會館(海南系)、嘉応會館(客家系)などの會館を見たりしながらChinatownを歩き回る。昼間から洋服の屋台が道いっぱいに並んでいたり、食べ物の屋台がたくさん出ていたり、香港の女人街と台北の西門町を一緒にしたみたいな感じで、非常に賑やかだ。Chinatownはそれほど広くはなく、まわりにはインド人やマレイ人の屋台も並び、行きかう人もさまざまである。

夕食までのつなぎに、マレイ人の屋台で、ドーナツ(RM0.35/個=約¥16)やカレーの入ったクレープ(RM1.2/個=約¥55)を買って食べる。ここで‘satu(1)’というマレイ語を初めて使った。

醸豆腐★★★

夕食を食べようと適当なコーヒーショップに入ったら、ほとんどの屋台はすでに終わっていて、ほんとのコーヒーショップ状態になっていた。仕方がないので、というか、実はビールが飲みたかったので、Tiger Beerを注文(RM9/大瓶=約¥400)。広東語が通じるかなと思って‘[口卑]酒(be zhau)’と言ったら通じず、華語で‘[口卑]酒(pi2 jiu3)’と言ったら通じて、ちょっとがっかり。「歩き回った後のビールはうまいなぁ」と思いながら、ふと冷静になってみると、私は連日こんなことをしているのだった。これじゃまるで酒呑みである。

これでビールのある店を選ぶ必要はなくなったので、醸豆腐の屋台に行く。醸豆腐というのは客家料理で、豆腐やピーマンなどに魚のすり身を詰めて茹でた、おでんのようなものである。並んでいるネタの中から好きなものを選んで茹でてもらう。麺をプラスして全部でRM3.80(約¥80/人)。

ここは路上の屋台だったが、後ろのコーヒーショップに飲み物を注文しなければならないシステムになっていた。これまで、「路上の屋台=ビールが飲めない」と思っていたけれど、屋台の立地条件によるらしい。コーヒーショップのおばちゃんに、なんだかよくわからない飲み物を強力に勧められ、それを頼んでみたら、透明な柑橘系のジュースで、ちょっと甘いけどけっこうおいしかった。友人が頼んだコーヒーは、ブラックの粉コーヒーだった。

Chinatownの屋台街

[屋台街]
◇Chinatownの屋台街◇

屋台街には、食べ物の屋台が続く通りと、洋服やヴィデオテープの店が続く通りがある。食べ物以外のところはあまりおもしろくない。ヴィデオテープは香港映画ではなくハリウッド映画だし(どうせPALだから買っても仕方がないけど)、イスラム教国だから、香港のようにえっちな下着も売ってないし、笑えるアイドルグッズも売ってないし、怪しい占師もいないので、ほしいものがないだけでなく、見ておもしろいものもない。そのうえ、かなり観光地化しているのか、日本人だとバレる確率が非常に高く、「こんにちは」「安いよ」「見るだけ」と、やたらと日本語で話しかけられる。

一方、食べ物の屋台は非常に充実していて、豆花などのお菓子や、果物の屋台がずらっと並んでいる。こちらは地元の人で賑わっているせいか、日本語で声をかけられることもない。呼び込みなどの声を聞く限りでは、広東語ではなく、ほとんど華語のようだった。

ココナッツ・ワッフル★★★★

豆花(RM0.50=約¥22)を食べてから、ワッフルのようなもの(RM0.30/個=約¥13)を焼いている屋台に行く。‘兩個(liang3 ge4)(2個)’と言ったにもかかわらず、日本人だとバレてしまった。ちゃんと‘個’を第四声で発音する南方式にしたのに。でも、「日本人なのに華語ができるの、エラいわねぇ」と褒められたので、単純な私はすっかり気をよくした。

食べながらYMCAに帰る。これはココナッツの入ったワッフルのようなもので、とてもおいしい。YMCAは、市街地から少し離れているし、歩いて帰るにはちょっと遠くて不便な場所にある。でも、周りには屋台街や7-elevenもあって便利。部屋までの途中の階の階段の脇に遊戯場のようなところがあり、昼間は卓球をやっていたのだが、このときは社交ダンスをやっていたので、思わずドアに顔をつけて覗いてしまった。

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更新日: 1999年2月14日(日)