大里暮色

1994年5月4日(星期三)


淡水へ

紅毛城

5月4日、水曜日。台北。雨。今日は淡水[dan4 shui3]へ行く予定である。本当は昨日行くはずだったのだが、朝から雨だったので、故宮博物院など台北で過ごした。淡水河の日没が最大の見どころらしいのだが、今日も雨で、見られそうにない。

淡水は、台北の北西、淡水河の北岸の河口に位置する。かつては貿易港として栄えた町で、水辺の美しさはヴェネチアにもたとえられるということだ。台北車站近くのバス停から、淡海行きのバスで1時間弱(NT$41)。

淡水も雨だ。魚丸湯で有名な可口魚丸で昼食。魚丸湯NT$20/杯、肉包NT$7/個、饅頭NT$7/個。基隆の屋台で食べて気に入った魚丸湯は、ここもすごく美味しかった。

まずは観光地めぐりということで、市街地の東のはずれにある紅毛城、淡江中學、淡水工商へ行く。紅毛城(入場料NT$20)は、スペイン、オランダ、イギリスの手を経てきた300年の歴史を持つ城だ。城という名にふさわしからぬ四角い赤レンガのおもしろい建物である。隣にある英国領事館だった建物や、城のある高台から見渡す海の景色と共に、とても美しいところだ。淡江中學と淡水工商は、古い西洋建築の校舎が現在も使われている。


淡江戲院

『童年往事 時の流れ

淡江戲院

淡水は、『童年往事 時の流れ』が撮影された場所のひとつである。映画に出てくる映画館、淡江戲院を探す。映画のポスターはあちこちに貼られているのだけれど、場所の手がかりはない。町を歩き回っているうちに見つける。

淡江戲院の前の通りは、映画の中でも映画館のある通りとして何度か出てくる。子供時代の阿孝が映画館の前の露店で饅頭を買うシーンや、高校生の阿孝が喧嘩に行くシーンだ。雨のせいもあり、映画の中よりもひなびた感じがする。映画館では、ちょうど台北で観た“火龍風雲”をやっていた。阿孝と同じように饅頭を食べたかったのだが、雨だからか、それとも実際には映画館の前には露店は出ていないのか、近くに買えるところはなかった。

淡水は、坂道の多いひなびた町で、雨の風情が似合う。紅毛城などの歴史をもった西洋建築も浮くことなく溶け込んでいる、不思議な魅力を持つ町だ。

淡江大學などを見て、バスで台北へ帰る。



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作成日:1997年4月6日(日)
更新日:2004年5月29日(土)