第17回東京国際映画祭
■■■『青春愛人事件』ティーチ・イン
開催日 ● 2004年10月26日(火) 会場 ● VIRGIN TOHO CINEMAS 六本木ヒルズ6 ゲスト ● 顥然(監督) 司会 ● 松下由美 北京語-日本語通訳 ● 樋口裕子
- ■司会(日本語):それでは監督にひと言いただきましょう。
- ◆顥然(北京語):みなさん、今日は私の作品を観に来てくださいましてありがとうございます。本当に光栄に思います。この作品の上映は、今日が世界で初めてなので[1]、本当に嬉しく思っています。みなさんにこの作品を気に入っていただければ、私もたいへん嬉しいです。実は今日はみなさんにプレゼントがあります。2枚組のポスターなので、このあとロビーに出るときにぜひお受け取りください。ありがとうございます。
- ■観客1(日本語):ヴェネチア映画祭に間に合わず、東京映画祭に来てくれたことを本当に感謝しています。
- ◆顥然:それは私にとってもとても光栄なことです。
- ◆観客1:それで質問がふたつほどなんですけれども、けっこうみんな配役がぴったりきているようだったので、この配役について何かこだわったところがあれば教えていただければ。私は王思懿と于榮光のファンなので、できれば彼らについて少し詳しく教えていただけると嬉しいです。
- ◆顥然:キャスティングなんですが、王思懿と于榮光がお好きということで、とても目が肥えていらっしゃると思います。王思懿は、クランク・イン直前に出演をOKしてくれました。最初は別の役者さんを考えていたんですが、それがうまくいかなかったので。しかし、王思懿をぜひというのは、この映画を撮ろうと思ったときからずっと私の心の中にありました。王思懿は台湾の方で、私のいい友人です。快く応じてくれて、とてもいい演技をしてくれました。彼はこの役で賞が獲れるのではないかと思います。
- ◆于榮光は香港から来てくれたんですが、これはクランク・インしたあとでキャスティングして、この役をやってもらうことになりました。
- ◆観客1:もうひとついいですか。もうこれの続編が企画されているという噂を聞いたんですけれども。
- ◆顥然:はい、おっしゃるとおりです。“青春愛人事件2”というのを今準備中です。同時にテレヴィ・ドラマも準備中で、これは于榮光さんの資本によって作る予定です。
- ◆司会:配役は変わるのかが気になりますよね。
- ◆顥然:全く別のキャスティングになる予定です。どういう話になるかというのは、今小説を探しているところで、まだ秘密の段階です。いずれにせよ、全く別のもうひとつの“青春愛人事件”で、そして若者たちの愛の物語を描いた作品になるはずです。
- ■観客2(日本語):たいへん楽しく拝見しました。ふたつあるんですけれど簡単に申し上げます。ひとつは、中国でこの映画は‘中国第一新意念電影’、とても新しいタイプの映画と言われていると思うんですけれども、たしかに中国の映画としては斬新なものがありまして、監督のバックグラウンドですとか、いくつか狙いがあったのかをひとつはお聞きしたい。それから主演の劉燁についてお聞きしたいです。
- ◆顥然:この映画のひとつ目の狙いは、この映画は4つの段階に別れているんですが、この4つの段階を通して、ひとりの男の恋がだんだんと深まっていくステップを表現していこうと思いました。その4つの段階がまとまって、ひとつのストーリーになっているわけです。
- ◆国内では、どこに狙いがあるかというようなことはあまり言わないのですが、二つ目は、この映画を通してひとりの男の魂の旅といいますか、恋に対する深い想いとか男性の気持ちを描きたいということです。
- ◆三つ目に、これが新しい映画、新世代の映画と言われるのは、都市を舞台にして若者たちを描いた作品だからだと思います。
- ◆そして四つ目は、自分の昔経験しました愛とか失恋とかを全部この中に盛り込みたいと思いました。昔の恋人に対する私の想いや敬意をここに表したかったからです。
- ◆司会:次は劉燁さんを起用した理由とか魅力とか、いろいろ総合的に伺いましょうか。劉燁さんの最新情報もお持ちだということで、それも含めて聞きたいとみなさん思うと思うんですが。
- ◆顥然:劉燁は私の大好きな俳優で、この脚本は彼のために書いたものです。劉燁とは、彼が“藍宇”に出演したときに知り合いました。この役にぴったりで、本当に大好きないい俳優です。本当は劉燁も、私と一緒にこの東京国際映画祭に来るはずだったんですが、18日にアメリカに行ってから日本入国ヴィザがうまく下りず、来ることができませんでした。電話がかかってきて、「東京のみなさんにどうぞよろしく。この作品を東京のみなさんが好きになってくれると嬉しい」という伝言がありました。
- ◆司会:アメリカで劉燁さんは撮影をしているということですよね。
- ◆顥然:劉燁は今アメリカで、Meryl Streepと共演して中国の留学生の話を撮っているところです。この映画のタイトルは、“流星”です。
- ■観客3(日本語):三つのテーマだったんですけれども、最後まで気持ちが途切れることなく、とても興味深く見せていただきましてありがとうございました。感謝の気持ちでいっぱいです。私の最初お聞きしたかったのは、なぜ三つのテーマを1本の映画にしたのかということだったんですが、それはさきほどの質問の答えでだいたいわかったので、出演されている猫のように表情が変わる女優さんについてちょっと教えていただけたらと思って、お願いします。
- ◆顥然:石周靚という女優さんなんですが、彼女は上海のスーパーモデルです。この映画に出演したときは17歳で、初めての映画出演です。彼女は東京ともとても縁があって、東京で行われたモデルの大会で、グランプリを獲得したことがあります。
- ■観客4(日本語):ちょっと話題が出た石周靚さんのことなんですけれども、この映画で彼女アフレコですよね、たぶん。ほかの人がヴォイスオーバーしていますよね。そのポイントをできたら教えていただきたいんですけれども。
- ◆顥然:今のご質問はプロですね。プロの目で見ていると思います。彼女は、テレヴィや短編にちょこっと出たことはあるんですが、長編の映画はこれが初めてです。しかも今回は、撮影期間が29日しかなく、非常に短い時間で撮り終える必要がありました。それで彼女にトレーニングさせる時間もなかったので、アフレコということになりましたが、すばらしいアフレコの方を選んで、彼女の声を入れてもらいました。主役はもちろん脇役陣も、中国の中でも特にすばらしい俳優ばかりなので、彼女の演技は脇役陣のレベルまでは達していないのですが、その点はよくおわかりかと思います。
- [1]スケジュールによれば、24日にすでに上映されているはずなのだが。
■
映画人は語る
■
2004年10月26日
■
ドゥ・マゴで逢いましょう2004
■
◆ ホームページ ◆ Copyright © 2004 by OKA Mamiko. All rights reserved. 作成日:2004年11月12日(金) 更新日:2004年11月30日(火) |