ドゥ・マゴで逢いましょう2004

2004年10月24日(日)


10月24日、日曜日。くもり。

東京国際映画祭は昨日から始まっているが、私の参加は今日からである。初日から参加しないこと、特にそれがチケットが取れなかったためであることで、テンションもモチベーションも下がりまくり。

2046

今日の予定は夕方の1本だけなので、朝は王家衛の新作『2046』を観に、有楽町の日劇へ行く。王家衛初の拡大ロードショウだが、ばんばん宣伝されているらしいので初回の1時間前に行く。しかし予想に反してガラガラ。

これまでにも増して自己言及的な映画である。他の作品を連想させるショットや台詞にニヤリとさせられっぱなしだが、ニヤニヤしているうちに終わってしまったという感じがしないでもない。悪くはないのだが、『ブエノスアイレス』『花様年華』と大傑作が続いたあとでは、何か物足りなさが残った。その理由を列挙してみる。

  • 説明的なモノローグが多い。説明過剰でわかりやすすぎる。
  • 大スターを揃えているにもかかわらず、梁朝偉以外の人物の存在感が希薄である。その理由は、登場人物の配置にあると思う。王家衛のこれまでの群像劇は、複数のペアが登場し、それらが重複したり互いに関連しあったりしている。ところがこの映画では、梁朝偉を中心にして、ほとんどの登場人物が彼とのみ関係をもつような構成になっている。
  • 鞏俐に違和感がある。彼女は「北の女」というイメージがすごく強いので、シンガポールとかカンボジアとか、南洋には馴染まないのだと思う。
  • 『欲望の翼』と『花様年華』とで「60年代三部作」だそうだが、私には、『欲望の翼』、『楽園の瑕』、『花様年華』が三部作だと思える。忘却や後悔というテーマは『楽園の瑕』と重なるし、『花様年華』は、続編など存在する余地のない完結した世界だった。
  • 『欲望の翼』や『花様年華』に比べて空気が薄く、印象的なショットも少ない。唯一、看板の見えるホテルの屋上のショットがよかった。なぜか『ラ・パロマ』を思い出させる。

◇◇◇

移転した可口飯店の建物が期間限定で新嘉坡式肉骨茶餐室になっていたので、ここで昼食を食べる。胡椒の効いた白系肉骨茶だが、薬膳臭さがなさすぎ、さっぱりしすぎていて物足りない。一応、生唐辛子入り醤油もついてきたが、唐辛子は申し訳程度しか入っておらず、緑唐辛子もない。チラシにはロングライスだと書いてあったが、インディカを混ぜたジャポニカに見える。それでも日本で肉骨茶が食べられるのはありがたい、と言いたいところだが、うちで作ったほうが断然おいしい(私が作るわけではないのだが…)。

六本木へ移動。WAVEなきあと、六本木にはめっきり行かなくなった。六本木ヒルズも初めてだ。会場のVIRGIN TOHO CINEMAS 六本木ヒルズは、ロビーにずらっと食べ物売り場があって、ポップコーンの匂いが充満していて、上映中も飲食可で、そのくせここで売っていないものは持ち込み不可で、およそ映画祭らしくない雰囲気である(わしゃ、不満じゃ)。

恋愛中のパオペイ ◇ 戀愛中的寶貝 ◇ Baober In Love

映画祭1本目は、アジアの風部門の『恋愛中のパオペイ』。李少紅監督の新作である。李少紅の作品は、『血祭りの朝』、『紅粉べにおしろい』、『四十不惑』を観ているが、どれもあまり印象になく、ぜひ新作を観なければ、という気持ちはなかった。音楽が小室哲哉というのも勘弁してもらいたい。しかし周迅が主演と聞けば、やはり観ないわけにはいかない。

映画は、幼時の体験がトラウマになっている女性が恋愛をして精神を病んでいくというもの。これまでとは全く違った作風だが、特に前半の誇張されたファンタスティックなノリは、全く私の好みではない。また、様々な問題に直面している現代の中国を、精神を病んだ女性に喩えるというわかりやすすぎるメタファーもいかがなものか。それでもなお、観終わったあとに余韻を残すのは、やはり周迅の存在感によるのだろう。後半の舞台の、元は工場だったというがらんとした空間も忘れがたい。

上映後、李少紅監督をゲストにティーチ・インが行われた。去年は英語通訳のみだった松下さんが英語通訳兼司会を担当。わけのわからない「映画パーソナリティ」などと違い、いらんことを言わない的確な司会でたいへん好ましい。

ティーチ・イン詳細

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六本木ヒルズで唯一気になっていた南翔饅頭店で夕食。以前はすごい行列だという噂だったが、すぐに入れた。炒青菜などがなく点心ばかりなので、ちょっと使いにくい。やはり本店で食べたい。上海に行きたくなった。



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作成日:2004年11月13日(土)
更新日:2004年11月26日(金)