ドゥ・マゴで逢いましょう2002
2002年10月27日(日)
10月27日、日曜日。晴れ。
映画祭日和であり、お散歩日和でもある。映画の前に品川に寄り、『秋日和』の冒頭に登場する東禅寺を見に行く(その成果も見てください)。渋谷へ移動して、東急百貨店Food Showにあるサイゴンのイートインで、春雨スープや揚げ春巻を食べる。
香港ノクターン ◇ 香江花月夜 ◇ Hong Kong Nocturne 今日の1本目、映画祭4本目は、アジアの風部門の『香港ノクターン』。『大酔侠』と同じく「ショウ・ブラザース特集」の1本で、監督・井上梅次、撮影・西本正、音楽・服部良一による香港映画。香港のミュージカル映画の古典としても、日本人が関わった外国映画としても有名な作品で、ずっと観たかったものである。
内容は、歌と踊りの才能に恵まれた美人三姉妹が、それぞれ男を失って成功を手に入れるまでを描いたもの。あとには特に何も残らないが、とにかく楽しめる映画。音楽もいいし、鄭佩佩もかわいい。スターが競演していて、鄭佩佩の夫の作曲家を演じた陳厚は「香港のフレッド・アステア」らしいのだが、菅直人みたいだったので、唄ったり踊ったりするたびに笑ってしまった。
リメイク元の『踊りたい夜』もこんなに面白いのだろうか。吉田輝雄はいいとして、水谷良重、倍賞千恵子というのが全くそそられないのだが、やはり一度観てみたい。
恋人 ◇ 天上的恋人 ◇ Sky Lovers 今日の2本目、映画祭5本目は、コンペティション部門の中国映画『恋人』。指定席ではないので、『香港ノクターン』終了とともにオーチャードホールへ急ぐ。主演の劉燁と董潔がゲストで来るはずなのだが、この二人は今のところ日本では無名に等しい。しかし劉燁は映画祭で2回上映されただけの『藍宇』で人気爆発しているし(『山の郵便配達』が公開されているが、これで人気が出たとは思えない←未見者にはわからないけど)、董潔は11月2日に公開される張藝謀の新作、『至福のとき』の主演女優で、すでに目をつけている男性も少なくないと思われる。そういうわけでかなり混むと予想したが、やはりすでに長い列ができていた。私は『藍宇』は好きだが、別に劉燁のファンではない(どっちかっていったら胡軍のほうがいい)。
映画は、廣西壮族自治區の山の中の生活を描いたもので、主要な登場人物中の3人が障害者である。真っ赤なアドバルーンが一人の女を連れて来て、別の女を連れ去っていくというお話。撮り方があまり気に入らなかったので、最後まで乗れなかった。最初に、製作者として奥山和由という名前を見てしまったせいもあるかもしれない。
ティーチ・インは、蒋欽民監督と主演の劉燁、董潔が登場。監督は陳果みたいだ。録音したのだが、通訳の声がぼそぼそ系なのとオーチャードホールが広いのとで聞き取り困難なため、掲載は省略する。特別興味深い話題もなかったように思うが、公式サイトのデイリーニュースに要旨があるので、そちらを参照されたい。
◇◇◇
知らない間にできていたサムラートのイートインで豆カレーを食べる。一人でも手軽にカレーが食べられるのは嬉しいが、サムラートなので特別おいしいわけではないのと、全然辛くないのと、ビールがないのが問題である。
藍色大門 ◇ 藍色大門 ◇ Blue Gate Crossing 今日の3本目、映画祭6本目は、コンペティション部門(受賞対象外)の台湾映画『藍色大門』。易智言監督の第2作である。
同性への愛情と異性への愛情、また恋愛と友情の間で揺れ動き、成長していく高校生を描いた爽やかな青春映画。10代特有の生真面目な悩み方、迷い方がとてもよく描かれていて好感がもてる。そんなことで悩まなくていいのにと思わせることなく、自然に共感させられてしまう。答えられない質問を執拗に繰り返したり、言いにくいことをズバッと言ったりする、主人公ふたりのキャラクターもいい。来夏公開予定なので、ぜひもう一度観たい。
ところで、台湾映画に出てくる高校は、たいてい建國中學か師大附中か北一女中である。いずれも台湾有数のエリート校で、どうしてこういう学校ばかり出てくるのかずっと疑問に思っている。私なりに考えたところでは、
のいずれかではないかと思うのだが、果たして真実はどうだろうか。
- これらの学校は単に「偏差値が高い」というだけではなく「名門」であり、その認識が一般に共有されている
- 超学歴社会の台湾では、エリート校に通っているということは素直に尊敬されることであり、勉強ばかりしているとかダサいとかいった悪いイメージはあまりない
ティーチインには、易智言監督と、主演の桂綸鎂、陳柏霖が登場。思いがけのう徐若瑄も見られた。
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