1996年、友人と星馬に行くことになり、ドリアンの旬である6月を選んだ。これは偶然にも、小津安二郎がシンガポールに赴いたのと同じ季節であった。
旅行するにあたって、重点実施項目を次の9つに決めた。
また、行き先は、次の5都市にした。
空路でシンガポールに入り、陸路でマレイ半島西海岸を北上してマラッカ、クアラルンプル、ペナンを回り、引き返してイポーに寄ってシンガポールに戻り、再び空路で帰国するという予定である(→行程map)。金子光晴が好んだ街バトパハや、マレイ半島東海岸の都市にも行きたかったのだが、日程の都合で諦めざるを得なかった。
こんなふうにして、5日間のリフレッシュ休暇と、3日間のフレックス休日と、4日間の週末の、11泊12日の旅が始まった。