屏東の夏休み
小北夜市の灯は遠く
1998年7月23日(星期四)
7月23日、木曜日。高雄。晴れ。
部屋のテレビ[注1]で『日本侠客伝 関東篇』[C1965-18]をやっていて、思いがけず名作と再会する。
台南車站の構内から駅前にかけては、
『海ほおずき』[C1995-23]で灰田とまりこが台南を訪れるシーン【映画】で出てくるところ。
白いコロニアル風の台南車站もまた、日據時代からの建物だ。路地裏の肉包屋、録記へ行く。
日本から来たと言うと熱烈歓迎[注4]してくれた。『海ほおずき』で印象的だったのは、路地と古びた床屋。
金華路三段にあるというので[O5-10]、歩き回ったが見つからない。この街に残る多くの史跡は、オランダ、鄭氏、清朝、日本という支配者の変遷と、
それに伴う建設と破壊の歴史を物語っている。
しばしふつうの観光客になって、延平郡王祠[注5]、開基武廟、赤嵌樓[注6]、大天后宮[注7]などを訪ねる。
途中で買った状元粿というお米のお菓子が美味しかった。かつての城門、兌悦門は、路地の中にひっそりと残る。
台南孔子廟[注8]も、観光地というより近所の人が庭で寛ぐのんびりしたところだ。
台南担仔麺の元祖、度小月で夕食。
担仔麺としてはびっくりするような値段だが、やはり美味しく、ビールも飲める。バス[注9]で、北部にある屋内大屋台街、小北夜市へ。
『海ほおずき』では、灰田、まりこ、逆谷の3人が食事をするところ【映画】だ。
間違った地図のせいで、何もない真っ暗な道をさまよった末にやっとたどり着く。台南は、古都の面影を残しながらも、都会化し過ぎたなんだか中途半端な印象の街である。
- [1] 『日本侠客伝 関東篇』を観たチャンネル
- Sky PerfecTV!の東映チャンネル。
- [2] 高雄→台南
- 西部幹線、復興108次。9:40-10:23。NT$69。
- [3] 台南[Tai2 Nan2]
- 台南市。
- オランダの植民地時代、鄭氏時代、清代と、首府が台北に移される(1885年)までは、台灣の中心地だった。
- [4] 録記
- 残念ながら肉包はひとつしか残っていなかったのだが、代わりに水晶餃を薦められ、まけてくれた。どちらも絶品。
- [5] 延平郡王祠
- 1662年に建てられた鄭成功を祀る廟。
- 開山路125號。8:30-17:30。入場料NT$40。
- [6] 赤嵌樓
- 8:30-17:30。入場料NT$30。
- オランダの植民地時代にプロビデンシャ城として建てられたもの。地震による倒壊などで、オランダ時代のものはほとんど残っていない。
- [7] 大天后宮
- 台南最古の廟。
- [8] 台南孔子廟
- 鄭氏時代の1665年に創立された学問所。台湾最古の孔子廟。
- [9] 台南のバス
- NT$18。ちょっと高い。
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