流浪到風櫃
prologue
「台灣へ行きたい気分」が急速に盛り上がったのは、昨年の東京国際映画祭だった。映画を製作国で分類するなど愚かなことかもしれないが、この映画祭で最も素晴らしかったのは疑いもなく台灣映画だ。
“春花夢露[注1](浮草人生)”[C1996-14]、“南國再見、南國(再見南国/憂鬱な楽園[注2])”[C1996-11]、“麻將(カップルズ)”[C1996-13]。
台灣の空気が私を呼んでいた。そしていつのまにか、台灣へ行くことになっていた。
旅のテーマは、言うまでもなく映画のロケ地めぐりである。新しい映画のほかに、今回ぜひロケ地を訪れたい映画があった。“風櫃來的人(風櫃の少年)”[C1983-33]と“童年往事(童年往事 時の流れ)”[C1985-34]。いずれも侯孝賢監督の古い映画だ。
そんなわけで、北は台北から南は高雄、そして台灣海峡に浮かぶ澎湖島まで、かなりハードなスケジュールを立てた。どこかでコケればあとのことはわからない。
カレンダーよりも休みが少ないゴールデン・ウィーク、強引に12連休を取得して、10泊11日の台灣旅行に出発した。
- [1] 文中の映画名
- 文中の映画名は、作者の好みにより原題(ふつうは中文)である。初出のものはかっこ内に邦題を付す。
- [2] “南國再見、南國”の邦題
- 東京国際映画祭(1996)では『再見南国』だったが、ロードショウ公開時(1997)は『憂鬱な楽園』に変わった。私は前者の方がいいと思う。
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↑流浪到風櫃
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→4月24日
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