第10回東京国際映画祭
『ア・リトル・ライフ・オペラ』ティーチイン
- 参加者
- 方育平(監督)、司会(市山尚三)、日本語-英語通訳
- 言語
- 英語
- ★京劇の話ということだが、映画中の劇は北京語ではなく福建語で演じられていた。福建では京劇でも福建語で演じるのか、それとも京劇ではなくて福建の地方劇なのか。
- 京劇だが、福建語で演じられている。同様に、香港の場合は広東語で演じられる。ストーリーも地域に合わせて多少アレンジされている。
- 私は、芸術が創作される現場に興味を抱いており、私の映画のほとんどはそれについてのものである。
- ★中国との合作だが、これは中国側から持ち込まれた企画なのか。
- 私は大きな予算を作ってメインストリームの映画を作るタイプの監督ではなく、小さくても自分の好きな世界を撮ることにこだわっている。この映画を作るにあたっては、どういう映画を作れという注文はなかったが、方育平の映画を作ってくれと言われた。これは、ある意味では、カンフー映画やアクション映画を作れと言われるよりも大きなプレッシャーだった。
- ★主演に楊貴媚を起用したのはどうしてか(司会者からの質問)。
- 蔡明亮の「愛情萬歳」の演技がすばらしかったからである。また、彼女は、中国でも台湾でも非常に人気があるというのも理由のひとつである(香港における黎明くらいのスターである)。楊貴媚、趙文瑄のふたりとも、北京語はもちろん福建語もできるというメリットもあった。
- ★大陸で、台湾の俳優を使って撮ることで、困難はなかったか。
- 全くなかった。中国側ではむしろ歓迎していた。ただ俳優とは別に、映画を撮るのに先立って北京で脚本のチェックなどがあり、そこでは面倒なこともあった。
- ★内容が中国の伝統的なものを描いているのに対して、前半部分は音楽がポップス調でミスマッチであると感じたが。
- 私は音楽は非常にうまくいったと思っている。音楽も社会も、新しいものと伝統的なもの、西洋的なものと東洋的、中国的なものとが混在しているのが現在の中国である。そういう雰囲気を出すため、音楽も、伝統音楽をロックっぽくアレンジして西洋楽器で演奏するなどの工夫をした。
- ★香港の監督は、香港的なものと中国的なものを分けているように思うが、監督にとって中国的なるものとはなにか。(質問の意味不明)
- 私が撮ろうとしているものは、家族や男女の愛情といった普遍的なものである(香港的とか中国的ということではなく、ということだろう)。
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映画人は語る
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1997年11月1日
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ドゥ・マゴで逢いましょう'97
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