1997年11月8日(金)

ドゥ・マゴで逢いましょう '97


11月8日土曜日。晴れ。

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kitchen キッチン Aggie et Louie(映画祭バージョン) ◇ 我愛厨房 ◇ Kitchen

今日の1本目、通算15本目は、嚴浩監督の「kitchen キッチン Aggie et Louie(映画祭バージョン)」(この長たらしいタイトルはなんなんだ?)。今回唯一の招待作品である。

もうすぐ公開されるのだが、「映画祭バーション」というのにつられて観に来た。開場1時間前くらいにシアターコクーンに行くと、すでに地下1階まで列は延びている。

舞台挨拶

ゲストは嚴浩監督と富田靖子。「青春のつぶやき」のときと同じおねえさんが出てきて、また申し遅れていた。

嚴浩の挨拶では、この「キッチン」は自作の中で一番気に入っているとのこと。また、吉本ばななの小説の映画化なので、「日本の皆さんには特に気に入ってほしい」とのことだった。でも私は、原作も他の吉本ばななの小説も読んだことがない。富田靖子は、どうでもいいことをくどくどと喋る。このあと観る予定の「半生縁」との間に十分な時間がないため、舞台挨拶はなるべく短くしてほしいのだが。

映画について

よくないわけではないけど、いまいちのれなかった。なんといっても富田靖子がよくない。存在自体が鼻につく。私は嚴浩監督はけっこう買っているのだが、あのひどい「南京の基督」の、あのひどい富田靖子を見て、出演を依頼したという話を聞いて、すごく驚いた。しかも吉本ばななの小説だという。それはちょっと彼が撮るべき映画ではないのではと思った。日本(アミューズ)との合作というのも心配だった。観てみて、やはり、という感が否めない。雨が降り始めるオープニングや、女装した羅家英はなかなかよかったのだけれども。また、「映画祭バージョン」は公開版より長いらしいが、もっと短くていいのでは、と思った。


半生縁 ◇ Eighteen Springs

今日の2本目、通算16本目は、インターナショナル・コンペティションで、許鞍華監督の「半生縁」。

私はふつう灯りがつくまで席を立たないのだが、今回ばかりはエンディング・クレジットが始まったところで席を立ち、オーチャードホールへとダッシュする。嚴浩監督には申し訳ないと思うが、多くの人がそうしていて、大部分は黎明の舞台挨拶が目当てらしい。ホールの前に着くと、すでに行列は動き始めていたが、まだ全員入ってはいない状態。入口にはすでに多くの黎明ファンがいて、花道状態である。2階だが正面の席とトイレに行く時間はなんとか確保できた。

舞台挨拶:許鞍華、呉倩蓮、黎明

さっきと同じおねえさんが出てきて、再び申し遅れたあと、ゲスト登場。監督の許鞍華、プロデューサー、主演女優の呉倩蓮。黎明がいないため、なんとなくざわついた雰囲気の中で3人の簡単な挨拶がある。このままでは暴動になるのではないかと心配していたところ、ぎりぎり間に合って黎明が登場。私は別にファンではないけれど、今回はあまり大物ゲストが来てなくてちょっとカメラが寂しがっていたこともあり、ほっとする。

映画について

超有名な中国の小説家、張愛玲の同名小説の映画化である。家庭の事情などから結ばれなかった男女(黎明と呉倩蓮)が、長い年月を経て再会する物語。淡々とした、シンプルな作りでなかなかよい。時代背景があまり描かれていないことにより、時代が悪かったというのではなく、個人の問題として語られていて、普遍性を獲得していると思う。


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作成日:1997年11月13日(木)
更新日:2004年12月15日(水)