ドゥ・マゴで逢いましょう2003

2003年11月8日(土)


11月8日、土曜日。晴れ。

今日は自主企画の鑑賞はお休みで、中平康レトロスペクティブのみの予定である。午前中は休養し、ユーロスペースへ整理番号をもらいに行ってからジュンバタン・メラで昼食。文化村の近くにあった頃は映画祭中の定番だったが、移転してからは滅多に行かなくなった。ものすごく久しぶりである。

殺したのは誰だ

今日の1本目、映画祭通算14本目は、1957年の『殺したのは誰だ』。

もう一花咲かせようと焦り、保険金詐欺に関わって破滅する中年セールスマンを描いたもの。観ようと思ったのは小林旭が出演しているからだが、主演は菅井一郎である。『麦秋』の父親役で好演しているが(「いい話だといいね」「いいんですよ」「そう、そりゃあいいね」…)、本作もなかなかの好演である。

舞台は夏で、菅井一郎がやたらと暑そうに歩き回る。蒸し暑い雰囲気が、彼の焦燥感をうまく表現している。愛人(山根寿子)がやっている飲み屋の暑そうな感じ(冷蔵庫もないらしくて、客は冷えていないビールを飲む)や、うらぶれた雰囲気もいい。日活映画で、こんなにリアルな空気感があるのは珍しいのではないか。

デビュー間もない小林旭は、菅井一郎の息子役。初々しいなかに影があってなかなかよい。小林旭の姉が渡辺美佐子。渡辺美佐子は若い頃から老け顔だが、この映画ではすごく美しく撮られている。


誘惑

今日の2本目、映画祭通算15本目は、同じく1957年の『誘惑』。

左幸子と千田是也の父娘を中心にした群像劇的なラブ・コメディ。芦川いづみが出演するのでJ先生の付き合いで観に行ったが、なかなか楽しい、洒落た映画だった。宍戸錠や二谷英明(これはどうでもいい)が、左幸子のお婿さん候補としてちょっとだけ出ていたりする。パーティで轟夕起子が扇を開いているところでは、‘武’と書いてあるんじゃないかと思わずじっと見てしまった(もちろん書いてなかったのだけれど)。

2本ともほぼ満席。特にこれらの映画が観たくて来たわけではなかったが、観てみて納得のおもしろさだった。今回の中平康レトロスペクティブにはけっこう通ったが、コメディとサスペンスが特によいと思う。『泥だらけの純情』や『月曜日のユカ』よりも、『あした晴れるか』や『誘惑』がもっと観られ、語られるべきではないだろうか。

◇◇◇

夕食は東急のFood showへ。Food showのイートイン・コーナーには、期間限定でエスニック・フードのお店が入っているスペースがある。ここに夢飯という海南チキンライスの店が入っていた。日本で海南チキンライスが食べられるなんて感激だ。


←11月4日↑ドゥ・マゴで逢いましょう2003→11月9日
映画祭日和ホームページ
Copyright © 2004 by OKA Mamiko. All rights reserved.
作成日:2004年1月22日(木)
更新日:2004年11月29日(月)