天気は晴れ。
Jalan Penangの中ほどにある小さいインド系食堂に朝食を食べに行く。 Roti Canai(ロティ・チャナイ)(2つ)とラッシーとミルクティでRM7.70(約¥350)。Roti Canaiというのは、「マレー半島に住むイスラム教インド人特有の、イーストの入っていないパン」 [ML26-1]ということで、パイとパンを足して2で割ったような丸いナン風のパンに、マトン・カレーをつけて食べる。店先でおにいさんが焼いていて、焼きたてのサクサク感がよい。
今日の午前中は、Georgetownを離れて極楽寺とPenang Hillに行く予定である。その前に、幾つかの雑用を済ませなければならない。
まずフェリー乗り場近くにある列車予約センターに行き、明日のIpoh行きと明後日のIpohからSingaporeまでの二等の切符を買う。Butterworth-IpohがRM13/人(約¥600)、Ipoh-SingaporeがRM48/人(約¥2150)。これでもう、コンピュータはいつでも好きなときに落ちてよい。
次に中央郵便局へ切手を買いに行く。窓口の表示はマレイ語のみで、英語も華語もない。『トラベルマレーシア語会話』で切手のマレイ語(‘setem’)を調べ、窓口に並ぶ。日本への葉書分(RM0.50=約¥22)の切手を3枚買い、1枚を昨夜書いた絵葉書に貼る。小さいが、パイナップル(nanas)の図柄で南国っぽくてかわいい切手だ。ドリアンだったらもっといいんだけれど。ポストもマレイ語の表示しかないのに、投函口がたくさん並んでいる。マレイ語を睨んで市内だとか州内だとか見当をつけ、国外だと思われるところに投函する。
◇極楽寺周辺◇ |
フェリー乗り場前のバス・ターミナルからJET1のバス(エアコン付き)に乗り(RM0.90/人=約¥40)、極楽寺へ向かう。極楽寺(Kek Lok Si Temple)は、Pulau Pinangのほぼ中央にあり、1890年に建立されたマレイシア最大の仏教寺院である。バスは、Georgetownを抜け、大きなお屋敷が並ぶ郊外を走り、20分くらいで終点Air Itamに着く。そこは極楽寺の門前町のようなところで、賑やかな商店街だ。
◇極楽寺のパゴダ◇ |
寺までは、浅草の仲見世のように土産物屋や食べ物屋がずらっと並んでいる。この通りを抜けると、屋内に入って石段を上っていくのだが、この石段の両側もまた土産物屋だ。ここには観光客があふれていて、客引きがとてもうるさい。華人のみならず、マレイ人、西洋人から日本人の団体までさまざまだ。いったいどこからこんなにわいてくるのだろう。Georgetownではあまり観光客を見かけないので、なんだかものめずらしい。
屋外に出て、さらに石段を上る。境内には寺院建造物がたくさん建っているのだが、どれも派手で、古いんだか新しいんだかよくわからない。パゴダのあるところは有料(RM2/人=約¥90)で、中にはほとんど人がいない。30mあるというパゴダに上り、どこからでも見えるKOMTARを目印にGeorgetownを眺める。パゴダもまた派手だ。ここではすべてが大きくて派手で趣きがない。こじんまりしていて、古びていて、地味な建物が好きな私にとっては、一度来れば十分なところだ。
再び商店の並ぶ石段を降りていくと、上るときに「バティック、バティック、スカート、スカート」などと叫んでいたバティック屋のおじさんが、すかさずスカートを私の前にかざして、「似合う」と言った。私を覚えていて言ったのだったらすごいけれど、無視されてなるものかという気迫が感じられたので、私も負けずに無視してしまった。