Pinangにはインド人も比較的多く、スリ・マリアマン寺院(Sri Mariamman Temple)の近くはインド人街っぽくなっている。Lebuh Pittにはインド人の両替屋が多く、適当な店で両替する。レートはRM1=¥44.05で、Melakaよりよかった。
Georgetownの北西のはずれのあたりの海岸沿いの道、Pesiaran Gurney(ガーニー・ドライブ)には屋台街があるというので、そこに夕食を食べに行くことにする。少し遠いが、なんとか歩けるだろうと思い、Jalan Sultan Ahmad Shahを西に向かって歩きだした。
Jalan Sultan Ahmad Shahは、島の最も北側の道だが、直接海に面しているわけではなく、海側には広い庭のある大きなお屋敷が並んでいる。改築して人が住んでいるところもあるし、古いまま放置され、廃墟のようになっているところもある。Pinangには裕福な華人の豪邸などもかなり現存しているということだが、これらもその一部なのだろうか。すでに暗く、また急いでいたのでよく見ることができず残念だった。
Jalan Sultan Ahmad Shahは広い自動車道路で、歩くのには適さず、実際誰も歩いていない。歩きにくいせいもあって、非常に遠く感じられたが、やっと海に面したPesiaran Gurneyに入ると、賑やかな音楽と人だかり。「屋台だ!」と思ったが、そうではない。何かイヴェントがあるようなのだが、よくわからない。私たちは屋台街を求めてひたすら西に向かう。
しばらく行くと、2軒並んだコーヒーショップにたどり着いた。もっと歩けば屋台街があるのかもしれなかったが、歩き疲れたので、屋台は諦めてコーヒーショップに入る。
まずTiger Beer(RM9.20/大瓶=約¥400)を頼んでから、屋台を物色する。ここはかなり大きなコーヒーショップで、屋台の数も多いのだが、なぜか店の人がほとんどいない。戻ってくるのを待ったりしながら、sate(RM3.50/10本=約¥160)、福建麺(RM2.50=約¥110)、豆腐の料理(RM2.50)をそれぞれ別々の屋台で頼む。
Sate(サテ)というのは、一言でいうとマレイ風焼き鳥で、nasi gorengと並ぶ代表的マレイ料理である。鶏肉、牛肉、羊肉を竹串に刺し、ピーナツ粉、カレー粉、唐辛子、ココナツ・ミルクで作った甘辛いタレを塗って炭火で焼いたものだ。日本で食べるsateは、タレが甘すぎて胃にもたれる感じだが、炭火で焼いた焼きたてのsateは、タレの甘辛さもほどよく、いくらでも食べられそうだ。Tiger Beerにもとてもよく合う。
福建麺(Hokkien mee)は、海老でダシをとったスープのなかに、麺と海老が入っているもので、福建人が多いPulau Pinangの名物らしい。プローン・ミー(prown mee soup)とも呼ばれている。私は海老が嫌いなのでちょっと怖かったが、トム・ヤン・クンと同じでこれも大丈夫だ。スープはおいしかったが、麺がちょっとやわらかかった。
食事を始めてしばらくすると、前の道をパレードが通り始める。同じユニフォームを着た団体が次々に通り、西洋人の団体もある。しばらく見ているうちに、ドラゴン・ボート・レースに参加する団体だということがわかった。どうやら明日レースがあり、今夜は前夜祭だか開会式だかが行われているようだ。日本から来たチームもいる。『鹿児島なんとか会』というおじさんの団体だ。これで屋台に人がいないわけもわかった。みんな見に行ってしまったのだ。パレードが終わると、関係者が食事を始め、コーヒーショップはかなり混み始めた。
海に向かったコーヒーショップというのは、街のとはまた違った解放感がある。海風が気持ちよく、夏の夕暮れの気分を満喫できる。ビールを追加し、いい気分で店を出る。海辺から西の方を眺めると、遠くに明るく賑やかそうなところが見える。あれがBatu Ferringhiの灯だろうか。
再びGeorgetownに戻り、屋台の出ている通りなどをぶらつく。フルーツを買いたかったが、まるごと売っている屋台が見あたらなかったので、カット・フルーツの屋台でマンゴーなどを買って食べる(RM4.50=約¥200)。水を買って帰ろうと思ったが、この街には、 MelakaにもKLにもあった、コンビニエンス・ストアというものが見あたらない。かなり広範囲に探したのだが1軒もなく、チョーラスタ・マーケットというところの中の、閉まる直前の店で買った。