1996年6月10日(星期一)

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第2の不幸-Maaf Komputer Rosak-

Melaka(マラッカ)に行くので、ホテルをチェックアウトし、代金をクレジットカードで払う。

Melakaには鉄道が通っていないため、バスで行くのが一般的なのだが、鉄道で国境を越えてみたいので、最寄り駅Tampinまで列車を使う予定である。乗る列車は14時過ぎなのだが、切符を買っておこうと思い、Singapore Railway Station(シンガポール駅)に直接向かう。MRTでTanjong Pagarまで行き、そこから歩いて10分くらいだ。

[S'pore Station]
◇Singapore Station◇

Singapore Railway Stationは、天井の高い、ノスタルジックな建物である。駅の正面には‘Welcome to Malaysia’と書かれていて、一歩中に入るともうほとんどマレイシアだ。街の中ではあまり見かけなかった民族衣裳姿のマレイ人が多く、標識もマレイ語が中心となる。トイレの標識もマレイ語(‘tandas’)のみで、トイレもホースのあるマレイ方式になっている。

切符を買うのに、構内の両替屋でS$1=¥81.97という非常に悪いレートで両替する羽目になった。ガイドブックか何かに、「駅のレートもさほど悪くない」というようなことが書かれていた気がするが、これは全く嘘だった。

切符売り場には長い列ができている。最初のうちはのろいながらも進んでいたが、そのうち全く進まなくなったと思ったら、窓口の前に「コンピュータの故障により予約はできません」と英語で書いたホワイトボードが置かれた。待つつもりなのか、並んでいる人は減らない。オロオロしていたら、英語がほとんど話せないらしいマレイ人のおばさんが、身振りで、今日の切符は隣の窓口で買えることを教えてくれた。

14:15発の列車の二等の切符をTampinまで買う。二等は全席指定なのだが、席は乗ってからということで、指定席料金を除いたお金、S$19/人(約¥1500)を払う。同じ区間のシンガポールからの料金とマレイシアからの料金は絶対値が同じ(つまりTampin→SingaporeはRM19)だが、S$1とRM1(RMはマレイシアの通貨)の日本円に換算した価値はS$1の方が倍近く高いので、外国人にとってはシンガポールからの乗車はかなり損だ。しかし、物価水準からするとおそらく妥当な値段なのだろう。

閉まっている窓口にはプラスチックのプレートが置かれていたが、そこには、‘Maaf Komputer Rosak/Sorry Computer Failure’と書かれていた。こんなものをわざわざ作っているくらいだから、コンピュータはしょっちゅう落ちるに違いない。 ともかく、すっかり時間がかかってしまったが、無事に切符を買えてひと安心。

このできごとがそのあとやってくる大きな不幸の前兆だったのだ。もちろん、この時点では気づく由もなかった。

Singapore Railway Stationのインド料理★★

構内の食堂で昼食をとる。屋台で注文してテーブルで食べる形式の簡単な食堂だが、到着ホームにあってなかなか味わい深い。イギリス式なのだろうか、古いヨーロッパ映画のようだ。駅舎といい、この食堂といい、ここは旅行というものがほとんど非日常ではなくなっている今日においても、「旅に出る」という気分を盛り上げてくれる場所である。ミルクティ(S$0.70/杯)と、じゃがいものカレー炒め、マトンなどのインド料理を食べる(S$5、約¥200/人)。じゃがいもがおいしい。

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更新日: 1999年2月13日(土)