ドゥ・マゴで逢いましょう'99

1999年10月30日(土)


10月30日、土曜日。晴れ。

映画は夕方からの予定なので、『アジア映画』にヴィデオを返しに行く。借りているのは、『河』『素敵な彼女』『風は踊る』の3本。年末に計画している台湾旅行に向けた、復習というか予習というか、そういうのためのものである。『アジア映画』にはアジアに関連する映画なら何でもあるのに、どうして『愛を乞うひと』はないのだろう?『スヰートポーヅ』で中皿を食べ、本を何冊か買う。代官山に移動して『Qu'il Fait Bon』でブルーベリー・タルトを食べる。渋谷で買い物し、『チャンパー』で空心菜と手羽先とオムレツを食べる(食べてばっかりだ)。今日から映画祭とは思えないのんびりした一日を過ごし、7時ごろ会場の渋谷ジョイシネマへ。ゲストの来場もないので遅目に行ったが、適度な長さの行列ができていた。

ルナ・パパ ◇ Luna Papa ◇ Moon Father

映画祭の1本目は、Bakhtiar Khudoinazarovの新作『ルナ・パパ』。コンペティション部門で賞金受賞対象作品。Khudoinazarov監督は、第一作の『少年、機関車に乗る』がなかなかよかったが、第二作の『コシュ・バ・コシュ 恋はロープウェイに乗って』はあまりよくなかった。そういう意味で、第三作である本作が注目される。

■映画について

タジキスタンを舞台にした、大袈裟で滑稽なおとぎ話。紛争、そしてイスラム教に基づくと思われる偏狭なモラルに縛られた住民たち。そんなタフな世界をタフに生き抜く家族の物語である。こういう語り口は基本的に好みではないが、最後まで面白く観られる作品になっていた。監督はおそらく、非現実的な物語によってよりリアルに真実を語ることができる、すなわち、タフな世界を語るにはタフな仕掛けが必要だと考えているのだろう。時おり町や湖のショットが挿入されるが、ドラマの虚構性や大仰さとは対照的に、その視線は静謐で厳かであり、風景は生々しく美しい。『少年、機関車に乗る』もそうだったように、この対照がこの監督の映画の魅力だと思う。たぶん彼の次回作も観ることになるだろう。


↑ドゥ・マゴで逢いましょう'99→10月31日
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作成日: 1999年11月8日(月)
更新日:2004年12月11日(土)