1997年11月10日(月)
ドゥ・マゴで逢いましょう '97
11月10日月曜日。晴れ。いよいよ今日で映画祭も終わりだ。16時25分のバスで会社を出る。
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桜桃の味 ◇ Ta'm E Guilass ◇ Taste of Cherry
最後の1本、通算20本目は、Abbas Kiarostami監督の「桜桃の味」。シネマプリズム(アジア秀作映画週間)のクロージング作品。オープニングがこのところずっと台湾映画であるのに対して、クロージングはずっとイラン映画である。映画の質という面での、世界における両国の位置をそのまま反映している。
約3年ぶりのKiarostamiの新作には、平日であるにもかかわらず、かなり早くから長い行列ができた。当日券の列にはイラン人の集団が目立つ。3年前の京都大会で上映された「オリーブの林をぬけて」が、多くのイラン人の観客で盛り上がったのが思い出される。
舞台挨拶:Abbas Kiarostami
上映後に監督のティーチインが予定されていたが、残念ながら急遽中止になり、上映前に舞台挨拶があった。インターナショナル¥コンペティションの審査員でもあったKiarostami監督が登場し、簡単に挨拶をする。
映画について
自殺をしようとしている中年男が、手助けしてくれる人を求めて車で走り回る話。特に前半部分は、ほとんどが車の中での会話から成り立っている。何気ない光の加減とか、交わされる会話とかに、ところどころいいところがあるものの、会話の内容以外にあまりかわりばえのしない前半は、夜の鑑賞にはちょっと辛い。今回のKiarostamiは、少し内省的というか、観念的になりすぎているような気がする。何度も繰り返し観ることによって、じわじわと良さがわかってくるタイプの映画かもしれない。
おわりに
夜遅く帰宅し、映画祭のホームページで受賞結果を知る。アジア映画の受賞がほとんどなかったのは残念だが、受賞作はほとんど未見なので、いいのか悪いのか判断できない。
今年は遅い時間の上映も多く、合計20本と例年以上に観ることができたが、正直言って睡眠不足で疲れた。今年はレヴェルが高かったという噂だが、振り返ってみると、かなり満足できる内容だったと思う。
最後に、ドゥ・マゴでは誰にも逢うことはできなかった。
完
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