外白渡橋 [wai4 bai2 du4 qiao2]
Garden Bridge

■金子光晴:『どくろ杯』[B42]

 ……これから四馬路へのみにゆくという前田河と、私は、花園橋ガーデン・ブリッジの橋のうえで別れた。別れるとき彼は、二百円の一割二十円を、手数料のつもりか、私に手渡した。そのときの私の恰好も、因果なことに、蝙蝠安に似ていた。二十円で心があたたかくなって、肌にふれる夜風がなまぬるく、暖かであった。金と背なか合せの夢が、シャンプーの泡のように、ふつふつとこころのなかにうかんで、散っていった。(《胡桃割り》pp172-173)

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更新日:2001年3月31日(土)