東京物語

Tokyo Story

[小津安二郎・1953]

作品情報
映画の舞台とロケ地
 

主な舞台は、同時代の尾道(広島県尾道市)と東京(東京都)である。尾道は、主人公の平山周吉(笠智衆)、とみ(東山千栄子)夫婦が、末娘の京子(香川京子)と住んでいるところである。東京は、長男・平山幸一(山村聰)、長女・金子志げ(杉村春子)、戦死した次男の嫁・平山紀子(原節子)が住んでいるところで、周吉ととみが彼らを訪ねて旅行する場所である。このほか、ふたりが東京滞在中に訪れる熱海も、長さは短いが印象的な舞台である。また、三男・平山敬三(大坂志郎)の住む大阪も僅かに登場する。

尾道での主要な舞台は平山家である。ほかには周吉と紀子が会話する寺の境内(シナリオでは空き地)、とみの葬式が行われる寺、葬式後に家族が会食する料理屋などが登場するが、屋内のシーンはすべてセット撮影である。この中では寺の境内のみがロケーション撮影で、この寺は尾道きっての古寺、浄土寺である。また、とみの葬式が行われる寺は福善寺で、葬式シーンはセットだが、前後に本堂や墓地の一部が見られる。

このほかにロケーションで撮影されているのは、芝居のない風景ショットである。風景ショットは、その後のシーンの舞台を説明したり、前後のシーン間の人物の増減や状況の変化を表すものとして小津映画ではおなじみであるが、特にこの『東京物語』では、とみの死や周吉の心境の変化を巧みに表していて印象深い。平山家が浄土寺の近くに設定されていることから、風景ショットは浄土寺あたりから見たもの(山陽本線の線路や尾道水道など)が多いが、ほかに住吉神社中央桟橋など、尾道を代表する場所も使われている。

熱海での舞台は旅館と海岸で、周吉ととみが防波堤に並んで座る海岸のシーンや、旅館から見える景色などがロケーションで撮影されている。

 
ロケ地紹介
 
住吉神社の大灯籠 広島県尾道市
山陽本線の線路 (1) 広島県尾道市
浄土寺の崖 広島県尾道市
東武伊勢崎線・堀切駅 (1) 【new 18/05/03】 東京都足立区
東武伊勢崎線・堀切駅 (2) 【new 18/05/03】 東京都足立区
東武伊勢崎線・堀切駅 (3) 【new 18/05/03】 東京都足立区
荒川土手と物干し 【new 18/05/03】 東京都足立区
荒川土手と民家 【new 18/05/03】 東京都足立区
京成本線の鉄橋 【new 18/05/03】 東京都足立区
八幡山の眺め 静岡県熱海市
初島が見える海の眺め 静岡県熱海市
ムーンテラス (1) 静岡県熱海市
ムーンテラス (2) 静岡県熱海市
大阪城天守閣 【new 22/05/04】 大阪府大阪市中央区
浄土寺の石塔 広島県尾道市
尾道水道と向島の眺め (1) 広島県尾道市
中央桟橋 広島県尾道市
浄土寺境内 広島県尾道市
福善寺墓地 (1) 広島県尾道市
福善寺 広島県尾道市
福善寺墓地 (2) 広島県尾道市
向島の眺め 広島県尾道市
浄土寺多宝塔 広島県尾道市
元・尾道市立筒湯小学校 広島県尾道市
山陽本線の線路 (2) 広島県尾道市
尾道水道と向島の眺め (2) 広島県尾道市
 
 

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作成日:2002年1月14日(月)
更新日:2005年5月8日(日)