【2】台北公會堂 → 台北中山堂
台北公會堂 住所:延平南路98號(旧・大和町)

竣工:1936年
設計:井手薫

二級古蹟

[2001年7月22日]

◆ 折衷主義で、様式建築から現代建築への過渡的な様式。中軸対称な平面、破風をもつような正面の形状など古典的なところもあるが、水平線、垂直線の多用、オーダーをもたないポーチなどは、現代建築の影響を受けている。
◆ アラブ・イスラム風など、西洋古典様式以外のいろいろな建築が取り入れられている。日本風の窓や中國式の瑠璃瓦など、東洋的なデザインも見られる。
◆ 外表面には国防色のタイルが使われている。1930年頃の国防色建築の代表的なもの。

台北公會堂は、1931年から1936年にかけて建設された。場所は清朝の台灣布政使司衙門の跡地。昭和天皇の即位を記念して建設されたものだが、当時の台灣は、演劇や展覧会などの文化活動の場所を必要としてもいた。
◆ 東京、大阪、名古屋に次ぐ大規模な公会堂。1935年の台灣始政40周年記念大博覧會では、完成前にもかかわらず使用された。大ホール、宴会場、画廊があり、それぞれ個別の出入口をもつ。
◆ 1945年10月25日、陳儀行政長官と安藤総督により、中國戰區台灣省受降典禮(日本の降伏式)が行われた。
◆ 光復後は中山堂と改称。二二八事件後は事件処理委員会の会合が行われた。また、長期にわたって國民大會に使用された。

◆ 中山堂は、『金門島にかける橋』(1962)で、結婚式の会場として登場している。また、『[牛古]嶺街少年殺人事件』(1991)でもコンサート会場として出てくるが、ロケ地は別の場所。


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