【8】台灣總督府 → 台灣省行政長官公署 → 中華民國總統府
台灣總督府 住所:重慶南路一段122號(旧・文武町)

竣工:1919年
設計:長野宇平治、森山松之助

國定古蹟

[2001年7月22日]

◆ 赤煉瓦の外壁に白い帯状の模様を入れた、典型的な辰野式(フリー・クラシック)。高さ60mもある中央の尖塔、四角形の破風や三角破風が特徴的。
◆ 長野宇平治によるオリジナルの設計は、塔がもっと低く、外壁の装飾もシンプルだった。森山松之助は、長野の設計を尊重しつつ、より華麗な建物にした。
◆ この台灣總督府の落成を最後に、古典様式の華麗な建築は造られなくなった。
◆ 光復後、左右の塔の屋根などが改修されている。

◆ 最初の台灣總督府は、1895年、清朝の布政使司衙門に置かれた。總督府の新築にあたっては、1907年に日本初のコンペによって設計が募集された。28名の参加者の中から7名が入選し、1909年の決選で長野宇平治の作品が選ばれた。審査員は、野村一郎、辰野金吾、妻木頼黄、伊東忠太など。
◆ 總督府が長野宇平治の設計に不満だったため、森山松之助が大幅に修正を加えた。1912年から1919年に総工費280万円かけて建設され、竣工時には台灣で最大の建物だった。
◆ ここで執務した総督は、第8代・田健治郎(1919年就任)、第9代・内田嘉吉、第10代・伊沢多喜男、第11代・上山満之進、第12代・川村竹治、第13代・石塚英蔵、第14代・太田政弘、第15代・南弘、第16代・中川健蔵、第17代・小林躋造、第18代・長谷川清、第19代・安藤利吉の12人。第8代〜第16代が文官総督時代(1919年〜1936年)、第17代〜第19代が後期武官総督時代(1936年〜1945年)。なお、前期武官総督時代(1985年〜1919年)の総督は、第1代・樺山資紀、第2代・桂太郎、第3代・乃木希典、第4代・児玉源太郎(1898年就任)、第5代・佐久間左馬太(1906年就任)、第6代・安藤貞美(1915年就任)、第7代・明石元二郎(1918年就任)。台灣總督は、行政権、立法権、司法権、財政権をすべて掌握していた。
◆ 光復後は、總督府に台灣省行政長官公署が発足した。日本政府は、内地人の引き揚げがほぼ完了した1946年5月、台灣總督府を廃止した。
◆ 1949年12月から中華民國總統府となった。現在、火曜と木曜に一般公開されている(要予約)。公開時間は10時〜15時半。


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